2016.07.26

連続ドローで首位陥落。横浜F・マリノスに「失速の予感」はあるか

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by AFLO

 それはどうにか攻撃に反転しようと、齋藤が右サイドに回った瞬間だった。

「(今の横浜は)まだまだ足りないものばかりですね。特に試合を読む力というか」

 2013年に最終節まで優勝争いしたチームと比べてどうか、という質問に、齋藤は試合前、こう答えていた。

「例えば、今のチームは後半の入り方が悪い。当時のチームは自分たちのチャンスの後にも、ぴりっと警戒できるところがあった。(メンタルの部分での)失点の仕方というか。まあ、当時は前に対する圧力も強かったし、それで全体の調和が崩れないのもあったんですが......」

 まさに、わずかな変化で攻守に乱れが出てしまった。

  その後、終盤に横浜は猛攻をかけている。カウンターではフィジカル的にフィットしつつあるマルティノスがロケットのように飛び出す。数度、好機を得たもの の、最後の判断やスキルが足りず、得点に結びつかない。終了直前、ゴール前のスクランブルでは敵ディフェンダーにかき出され、ゴールラインを割ることがで きなかった。

「勝てた試合だった」というのが、横浜側の言い分だろう。ただ、アダイウトンやジェイにピンチを作られたことを考えれば、負けていてもおかしくはなかった。