J1名門クラブが降格危機でハマる「引き分け・勝ち点1」のワナ (2ページ目)

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

 彼らがリーグ戦に復帰するのは、日程面だけで考えると、予選グループ敗退の場合8月13日の第8節から。決勝まで勝ち残った場合でも8月27日の第10節からだ。

 ただ、ブラジルと日本の時差や移動距離、疲労などを考えれば、リオ五輪が終わってすぐにリーグ戦に戻れると考えるのは現実的ではない。彼らが過酷な日程で臨む試合は、高い集中力が求められ、肉体だけではなく、精神的にも疲弊する厳しい戦いだからだ。

 そのため、五輪後にその反動が出て不調に陥る可能性は大いにある。過去の五輪を振り返っても、蓄積した疲労をなかなか回復できず、リーグ戦復帰が遅れた選手は少なくない。

 今回の五輪代表メンバーで、その反動が懸念される選手のひとりが、鹿島の植田だ。彼は「ファイター」と評されるように、フィジカルコンタクトを厭わない激しいプレーが持ち味なだけに、リオ五輪でもフルパワーでぶつかり合いをするはずだ。

 鹿島が1stステージで逆転優勝できた最大の要因は、総失点10とリーグ1位だった堅守にあるだけに、その中心的な存在の植田がリオ五輪後に本来の力を発揮できないようだと、苦戦を強いられることになるだろう。

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