リオ五輪「選ばれなかった」このU-23選手がJ1で大暴れ (2ページ目)

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 身長180cm。背筋をぴんと伸ばし、柔らかくボールをコントロールする姿には、スケールの大きさが感じられる。トップ下から前線へ、鋭いスルーパスや柔らかいパスを使い分けて配球するだけでなく、2トップの間に割って入ってフィニッシュも狙う。

J1の戦いの中でも高い存在感を示しているサガン鳥栖の鎌田大地J1の戦いの中でも高い存在感を示しているサガン鳥栖の鎌田大地 7月13日の湘南ベルマーレ戦でも、鎌田は存在感を放っていた。右足アウトサイドから繰り出した絶妙のスルーパスでチャンスを作れば、ペナルティーエリア右サイドに自ら飛び出して右足のシュートを見舞う。さらに、相手のペナルティーエリア付近で相手ボランチに激しく襲いかかったり、味方GKがキャッチした瞬間、全力でダッシュして速攻を狙ったりするなど――オフ・ザ・ボールでの動きでも輝いていた。

 手倉森監督も、鎌田に対して大きな期待を寄せていたはずだ。ルーキーだった昨季、公式戦に出場し始めた鎌田を8月の京都合宿で早速招集。その後もコンスタントに呼び続け、トップ下だけでなく、トップ、サイド、ボランチなど、適性を見極めていた。

 今年1月のアジア最終予選には選ばなかったものの、3月のポルトガル遠征、5月のトゥーロン国際大会には招集している。最終的に選ばなかったのは、戦術的な理由だろうか。いずれにしても、ぎりぎりまで呼んでいたのは、そのポテンシャルを高く評価していたからに違いない。

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