【恩田社長の600日】「ぎふの力」を結集して観客15000人達成 (4ページ目)

  • 恩田聖敬●文 text by Onda Satoshi

 私がFC岐阜の組織を見たとき、個々は全力で持ち場を守っているのに、いわゆる組織の横串は皆無という状況で、それを変えるきっかけとなることも期待していました。

 とにかく色々やってきた我々ですが、イベントを考える上で何でもありというわけではありません。我々はFC岐阜です。だから岐阜とのゆかりがあるものにこだわる姿勢は崩しませんでした。例えば、アニメとコラボするなら話の舞台が岐阜、作者の方が岐阜出身といった具合です。

 アニメの舞台となっている農業高校を訪れたとき、女子高生がつなぎ姿で牛糞の始末をしているのを目の当たりにして、普通科人生を歩んで来た私にはカルチャーショックでした。このように、岐阜県中に岐阜県民も知らない世界がたくさんあります。そんな未知なるものを、スタジアムでマッチングして発信することが、FC岐阜の大きな役割だと私は思っていました。岐阜県のグルメ、伝統文化、自然、旧跡、企業活動、自治体の取り組みなど、普通にぎふにあるものに触れることにより、とりわけ子供たちの未来に対する肥やしになれればいいと思っていました。

 上手くいったイベントもあれば、そうじゃないものもありましたが、スタッフにとっても「ぎふ再発見!」につながることばかりで、楽しかったです。数字だけ見ると、年間の観客数は2013年の95,032人に対して、2014年は159,259人と飛躍的に上昇しています。ラモス監督等の効果と片付けられがちですが、スタッフの知恵と努力も集客に寄与したと私は確信しています。

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