「中澤佑二は衰えたのか?」という疑問について考察する (5ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

「CBというポジションは、やっぱり守るのが仕事。最近の風潮では、ビルドアップだったり、攻撃の起点を求められるけど、それはチームとしての守備意識がしっかりしていて、どことやっても守れるという守備力があってこそだと思うんです」

  そう主張する中澤は、やはり生粋の守備職人だ。もちろん、高さと強さを備え、スピードがあり、足もとの技術も高いのが理想だろう。しかし、世界中を見渡してもそんな選手はほとんど存在しない。自らの短所を隠し、特長を出すための最適解を探る。中澤のプレーからは、潔(いさぎよ)いまでの割り切りが感じられ た。

 寄る年波には勝てぬ――。だからといって、何もしないでいいというわけではない。プロとして結果を出すためには、己の力量を知り、スタイルを変化させていかなければいけないのだ。それは38歳になった中澤の「進化」と言い換えられるのではないか。

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