「中澤佑二は衰えたのか?」という疑問について考察する (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

 2002年に東京ヴェルディから加入して以降、横浜FMの最終ラインには常に中澤の存在があった。その間、2003年~2004年の連覇に貢献す るなど、横浜FMの黄金期を文字どおり支えてきた。また、長く堅守のチームと印象づけているのは、中澤のパフォーマンスによるところが大きいだろう。そし て38歳となった今なお、不動の立場であり続けるのは驚異的としか言いようがない。

 もっとも今季は、その中澤のパフォーマンスに衰えが見られるという指摘もある。「たしかに、信じられないようなミスをするときがあるんですよね」とは、サッカー専門誌の横浜FM担当記者。ファンの間からも、「ラインを下げすぎ」「ビルドアップのミスが多い」などといった声も聞こえてくるそうだ。実際に今季の横浜FMの失点場面の映像を振り返ってみると、中澤 が絡んだシーンがいくつかあった。

 1stステージの第2節・福岡戦では、ルーズボールを処理しようとした際、後方から走ってきたFW金森健志にボールを奪われ、思わずファウル。ここで与えたFKが結果的に失点シーンを招いてしまった。第8節のサンフレッチェ広島戦では、FWピーター・ウタ カの巧みな動きに翻弄されて、決勝点を献上。第11節のヴァンフォーレ甲府戦では、自らのクリアミスから2失点に絡むなど、低調なパフォーマンスに終わっている。

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