【恩田社長の600日】クラブ一丸で、目指すは超満員の15,000人

  • 恩田聖敬●文 text by Onda Satoshi

 私の持論として、監督・選手にはスポンサーイベントや地域のイベントについてはどんどん参加すべしとしますが、クラブからお願いしたいことは、試合に勝つための最善の準備をすることなので、それまでは試合のPRを依頼することを敢えて控えていました。今回はクラブの総動員の時と判断し、選手の行なったPRは効果てきめんで、新たな客層の獲得に成功します。一旦落ち着きかけた、岐阜県人のミーハー魂に再び火をつけたのです。

 そして、スタッフ一丸の全員営業です。スポンサーには団体チケットを提案し、300枚規模で購入いただいたり、後援会加入及び観戦を強く呼び掛けていただいたり、スクール生に宣伝したりと、各自が地道にやれることをやり切っていました。

 毎朝、前売り券の販売状況を共有して、「スーパーシート完売!」「前売り券の枚数が開幕戦を突破!」と、かつてない順調な販売状況に、スタッフも「イケるかも!」とその気になり始めました。また、当時クラブから発信するリリースとSNSについて、文末に「15,000人プロジェクト」とキャッチコピーを入れ、言葉が一人歩きするように仕向けましたが、その甲斐あって、サポーターもその気になり始めた空気を随所で感じることができました。

 クラブの大言から始まった「15,000人プロジェクト!」の結果については、次回お届けします。

(つづく)

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【profile】
恩田聖敬(おんだ・さとし)
1978年5月10日、岐阜県生まれ。岐阜北高―京都大―京都大大学院を修了し、2004年にネクストジャパン入社。ゲームセンター店長など、ア ミューズメント、エンターテインメント系の仕事に従事し、キャリアを積む。2012年、ネクストジャパンホールディングスがJトラストに吸収合併されて、 同社に移る。2014年から岐阜フットボールクラブ代表取締役社長に就任。2015年1月、筋萎縮性側索硬化症 (ALS) の発症を公表し、2015年11月、社長退任を発表した。2016年6月30日に「株式会社まんまる笑店」を設立。代表取締役社長に就任。

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