2016.07.05

サガン鳥栖がEUROのイタリア風に? 「つなぐ」効果で劇的勝利

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 日刊スポーツ●写真 photo by Nikkan sports

 しかし、前半はほぼ見せ場を作れなかった。この点は、ファーストステージ同様。しかも、東京に隙を突かれ、右サイドを崩されて先制を許してしまう。その後は、相手の腰が引けてポゼッション率はさらに高まったが、有効打はない。結局のところ、一番得点の匂いがするのはトップの豊田陽平にロングパスが入ったときだった。

 後半になってからも、大きな流れは変わらない。CKで富山貴光がニアに蹴り込んだボールがそのまま入った同点の場面は、GKのミスに助けられた僥倖(ぎょうこう)に近いだろう。その後は再び右サイドを破られ、中央もゾーンに綻びができてしまい、河野広貴に逆転ゴールを許す。鳥栖は敗色が濃くなったが、根本的なやり方は変えなかった。

「選手たちは1点を取り返したい、という気持ちが強かったはずだが、根気よく戦ってくれた。相手が守りを固めているところ、不用意に長いパスを入れず、攻め急がなかった。バックパスは逃げた部分があったかもしれないが、自分たちで判断して選択していた」

 そう語るフィッカデンティは、辛抱強いポゼッションがなんらかの形で実ることを信じていたように言った。

「(後半83分に)東京が平山(相太)を投入してきたことで、裏を狙われることはない、と判断し、ラインを上げることができた。それによって、一気に押し込めた。その点、試合状況によって戦術を変える必要がある中、選手たちは4-3-3、4-4-2とシステム変更にも適応してくれたと思う」