Jリーグ走行距離ベスト5独占。新潟・加藤大が誰よりも多く走る理由 (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei  photo by Getty Images

 加藤がもっとも走った試合は、1stステージ第9節のヴァンフォーレ甲府戦で、なんと14.44㎞を走破。この数字がどれくらいすごいものかは、現在行なわれているユーロ2016のデータと比較してみるとわかりやすい。『UEFA.com』の6月20日の記事によると、その時点でもっとも走っていたのがイタリアのMFマルコ・パローロで、ベルギー戦で記録したその走行距離は12.57km。なんと加藤は、その記録より2km近くも上回っているのだ。

 加藤は三菱養和SCユース出身で、年代別代表にも名を連ねるなど将来を嘱望されたタレントだ。2010年に新潟に加入したものの出場機会に恵まれず、2012年に愛媛FCへレンタル移籍。2014年に新潟へ復帰し、レギュラーの座を掴んだのはようやく昨シーズンのことである。

 どちらかというと、若いころは技巧派の印象が強かった加藤だが、「中学時代の走り込みがスタミナの源(みなもと)」と本人が言うように、テクニシャンでありながら、かねてより運動量には自信があったという。それでも、攻守両面の仕事が求められるボランチやサイドバックならまだしも、攻撃的MFでありながら、ここまで走れる選手はやはり稀有(けう)だろう。

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