王者サンフレッチェ、苦境の「4位」は、むしろ賛辞を贈りたい (4ページ目)

  • 原田大輔●文 text by Harada Daisuke
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

「ガンバ戦からは、すべてがつながっているんですよね。選手たちは、前の試合で出た課題をすぐに修正して、次の試合では必ずその教訓を生かしている」

 福岡戦で勝利したチームは積極性を取り戻したが、続くヴィッセル神戸戦では相手に対策を練られて1-1で引き分けた。するとその後、中3日で行なわれたFC東京戦(1-1)では巧みにパスを散らして相手を疲弊させ、後半に勝負する戦いに打って出た。

 そうやって試行錯誤を繰り返しながら、今季の広島は、前からボールを奪いにいく時間帯と、後方でボールを回して相手をおびき寄せる時間帯とを、うまく使い分ける“術”を見につけていった。

 その結果、第16節の浦和戦では4-2と快勝。一度は逆転されたものの、今季出番が激減していたFW佐藤寿人を途中から投入し、急きょ試みた2トップのスタイルも功を奏した。その勢いのまま、最終節のヴァンフォーレ甲府戦も3-0と完勝。DF佐々木翔、DF水本裕貴、MFミキッチ、さらには青山と負傷者が続出する中にあっても、2トップという新システムを生かしてきっちりと結果を出した。

 ファーストステージを終えて、森保監督が少し誇らしげに話をしてくれた。

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