満員の観客と笑顔と自信。フロンターレが手にした2位以上の「財産」 (2ページ目)

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

 クラブ在籍14年目を迎え、2006年から2009年にかけて、リーグ戦での2位を3度、カップ戦での準優勝を2度経験している主将の中村憲剛も、過去との違いを強調する。

「これまでのフロンターレなら、こういう試合で引き分けたり、負けたりしていた。ここで自分たちのよさをしっかり出して勝ち切ったのは、大きな成長だと思う」

 確かにファーストステージは2位に終わったが、連敗が1度もなく、2試合続けての引き分けもない。それに、1敗しか喫していないのは"自分たちだけ"という事実が、選手たちの自信を深めている。中村が続ける。

「2位に終わって『またか』と言う人もいると思うけど、これまでの2位とは全然違う。やっているサッカーにも自信があるし、粘り強さという点でもすごく成長している。このまま積み重ねていけば、必ずタイトルが獲れるという気がしている」

 2-0で勝利したこの大宮戦は、2-2の引き分けに終わった前節のアビスパ福岡戦の嫌な流れを引きずらなかったことに加え、大観衆が詰めかけたゲームでしっかり結果を出せたことも大きかった、と中村は考えている。

「(スタジアムに)これだけたくさんの人が来てくれて、素晴らしい雰囲気を作ってくれた。(それに対して)優勝はできなかったけど、勝利をプレゼントすることはできた。毎試合、この雰囲気を作りたい。そういう意味でも、勝ったのは大きい。これでリピーターになってくれる人が出てくれば、それがまた、僕らの力になるから」

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