2016.06.27

優勝にも厳しい表情。小笠原満男に見る常勝アントラーズのDNA

  • 小室 功●文 text by Komuro Isao
  • photo by Yohei Osada/AFLO SPORT

 その中心的な役割を果たしたのは、紛れもなく小笠原満男だ。J1通算480試合出場を数える重鎮は、日頃からこう繰り返し語ってきた。

「チームはいいときばかりじゃない。流れがよくないときにどうしたらいいか、どうやったら勝てるか、そればかりを考えている」

 現在37歳。年齢によるフィジカル面の衰えを指摘する声は少なくない。ベンチスタートや途中で退く試合も増えた。だが、戦う姿勢に何ら変化はない。球際で見せる、その形相たるや"闘将"と呼ばれるにふさわしい。

「若い頃に持っていたものがなくなっているのは確かだけど(苦笑)、歳をとるのは別に悪いことばかりじゃない。今まで見えなかったものが見えてくるからね」

 かつて、鹿島に在籍していた"御大"ジーコがそうであったように、ジョルジーニョがそうであったように、本田泰人や秋田豊ら歴代の精神的支柱を担ってきた選手、中軸を務めてきた選手たちがそうであったように、鹿島に息づく"勝者のメンタリティー"を受け継ぐ小笠原は、結果を出すことで自身の存在価値を高めてきた。

 そんな小笠原に対して、石井監督は賛辞を惜しまず、全幅の信頼を寄せる。

「多くのことを言わなくても、チームに必要なプレーをしてくれる。大事な試合になればなるほど(小笠原の存在は)欠かせない」

 今年はクラブ創立25周年。このような節目のシーズンに大きな実りを得て、俄然意気が上がる。