またも失速。浦和レッズの選手に
その理由を直接聞いてみた

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei  山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 実際、指揮官のその言葉は現実のものとなる。66分にDF槙野智章のヘッドで1点差に詰め寄ると、72分にはふたたび槙野が強烈なミドルを突き刺して試合を振り出しに戻す。そして78分、阿部のミドルの跳ね返りをFW李忠成が胸で押し込んで、決勝ゴールを奪取。FC東京の自滅に近かったとはいえ、見事な反発力を見せた浦和が、土俵際で踏みとどまる鮮やかな逆転勝利を収めた。

 もっとも、この日の勝利で勝ち点を30に伸ばしたとはいえ、前節の敗戦で1stステージ優勝の可能性はすでに潰(つい)えていた。開幕から圧倒的な強さを見せ、そのまま突っ走るかと思われた浦和は、なぜ突如失速してしまったのか――。その原因を探るべく、試合後に殊勲の槙野を直撃した。

「失速の原因ですか? うちは毎年、終盤になると落ちるでしょ。それが今年は早めに来ちゃったという(笑)」

 冗談めかして語り始めた槙野だが、こちらの意図を見透かしたように言葉を続けた。

「でも、連戦で疲れていたからよくなかった、というわけじゃないですよ」

 ACLの影響でJリーグのスケジュールが後ろ倒しとなり、浦和は6月11日の鹿島アントラーズ戦からから中3日・中2日で続く連戦となった。鹿島、ガンバ大阪、サンフレッチェ広島に敗れたこの3連敗は、そうしたスケジュール面での不利があったのではと考えるのは、ごく自然だろう。

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