G大阪のジレンマ。遠藤保仁の起用はトップ下か? ボランチか? (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei  山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 不調の原因が「得点力不足」にあるのは、間違いない。とりわけアタッカー陣の状態は深刻だ。昨季19ゴールを挙げた宇佐美貴史はここまでわずか2得点。パトリックに至ってはいまだゴールを決められていない。そんな現状を打破すべく、第12節の磐田戦から採用した新布陣が成果を見せつつあった。遠藤保仁のトップ下起用である。

 磐田戦で決勝ゴールを挙げた遠藤は、続く第13節・広島戦でも高い位置で起点となって3-1の快勝に貢献。縦に急ぎ過ぎるきらいのあった攻撃を、卓越した技術と戦術眼を駆使し、前線で巧みに時間を作って厚みを生み出していた。

 もっともFC東京戦では、この背番号7にボールが入ること自体が少なく、そうした遠藤のよさが生かされることはなかった。攻撃の手段はパトリックの裏への飛び出しか、宇佐美の単独突破程度。膨らみつつあった復活への期待感は、瞬(またた)く間にしぼんでしまった感は否めない。

 チーム最多4本のシュートを放ちながら、またしても不発に終わった宇佐美は、「(ゴール前に)入っていくところまでは悪くなかったけど、ギリギリのところで決めきれない。自分でもしょうもないなと思います」と、自らのふがいなさを吐き出した。一方でチームとしての戦い方の拙(つたな)さにも言及する。

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