川崎、鹿島、浦和、広島ほか、J1クラブの好不調を福田正博が分析 (5ページ目)

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

 この強みを生かして、守備陣は立て直しに成功した。若手が今後経験を増やすことで来季以降の地盤強化にもつながる。あとは攻撃陣をどうするか。これから先の戦いで、下平監督がどんな手法を見せてくれるのか注目したい。

 下位に目を向けるとサガン鳥栖、アビスパ福岡、湘南ベルマーレが勝ち点を伸ばせずに苦しんでいる。なかでも、鳥栖は開幕前に旋風を起こすのではと注目していただけに意外ではある。

 マッシモ・フィッカデンティ監督の目指すスタイルと、鳥栖というチームに根付いているスタイルは相性がいいと見ていたのだが......。結果が出ない要因のひとつは、昨年まで主将で中核を担った藤田直之(現・神戸)や、水沼宏太(現・FC東京)が移籍した穴を埋めきれていないことだろう。

 骨格を失ったチームを再建しながら好成績を残すことは容易ではない。これは監督にだけ責任を求める問題ではない。チーム強化のためにクラブ全体がどういったビジョンを描いたかの結果といえる。

 ただし、まだ残留をあきらめるには早すぎる。チームはひとつのきっかけで躍進することがある。鳥栖を含めた下位3チームだけではなく、ジュビロ磐田、アルビレックス新潟やヴァンフォーレ甲府など、どこが上昇気流をつかまえても不思議ではない。

 開幕から約3カ月が経ったことで、各チームともにさまざまな課題が露わになってきた。シーズンはまだまだ続く。最後に笑うチームはどこになるのか。Jリーグの戦いがさらに激しくなり、盛り上がることに期待したい。

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