川崎、鹿島、浦和、広島ほか、J1クラブの好不調を福田正博が分析 (2ページ目)

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

 曽ヶ端と同級生の37歳の小笠原満男も、相変わらず存在感を放っている。そのバックアップには永木亮太が控えているので不安要素は小さい。鹿島がタイトルを狙うための課題は、得点をどれだけ増やせるかだろう。2トップで金崎夢生のパートナーを誰にするのか。ここまで赤崎秀平が8試合で先発したが、得点ゼロでは寂しい。一方、長らく故障で離脱していたジネイがようやく復帰。10節からは先発で起用され、まだチームにフィットしているとは言えないが、186cmの長身を生かしたプレーを発揮できるようになれば、覇権奪回の切り札になりうる。

 浦和は13節終了時点で川崎との勝ち点差2ポイントの3位。ただし、浦和はACLを戦っていた都合により、消化試合数が2試合少ない。そのため、実質的には1stステージの優勝争いをリードしているといえる。

今シーズン湘南から浦和に移籍した遠藤航(写真右)今シーズン湘南から浦和に移籍した遠藤航(写真右) 今季の浦和は特に守備陣の出来がいい。失点はリーグ最少の6。開幕直後は多少のバタつきもあったが、遠藤航のプレー位置を変えてからさらに守備が安定した。開幕当初は3バックの中央が槙野智章、右に遠藤航、左に森脇良太という並びだったが、ペトロビッチ監督は第4節からは遠藤を中央に置き、右に森脇、左に槙野に変えた。

 これによってDFラインと中盤の連携が良くなり、攻撃にも好循環を生んだ。遠藤の良さは味方が攻め込んでいる時のポジショニングだ。たとえ味方がボールを奪われても、ボールを奪った相手が、速攻を狙ってボールを預けようとパスを送る最前線の選手を遠藤がしっかりケアして、パスコースを遮っている。そのため、ボランチの阿部勇樹や柏木陽介の守備の負担が減り、攻撃に専念できている。つまり、守備の安定が攻撃にいいリズムをもたらしている。

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