【恩田社長の600日】「岐阜」と「ぎふ」。そこにあるクラブ運営の難しさ (4ページ目)

  • 恩田聖敬●文 text by Onda Satoshi

「ぎふを元気に!ぎふをひとつに!」

 これは、私が社長在任中のスローガンの一部ですが、地域に存在するスポーツクラブの最大の役割は、ここにあると思います。ぎふがあるから、FC岐阜は存在できます。岐阜県の名前を背負っているのです。地域住民の活力源となり、地元の誇りと思えるチームになることが、FC岐阜の存在意義です。しかし、それは並大抵のことではありません。

 これはスペイン在住経験のあるスタッフに聞いた話ですが、バルセロナにおいて赤ちゃんが生まれたら、出生届より先にバルサのファンクラブに加入することはめずらしいことではないそうです。実際にバルサのホームページを見ると、確かにファンクラブのカテゴリーに乳幼児がありました。

 ここまでくれば本望ですが、社長としてぎふを走り回る中で、現実のぎふにとってのFC岐阜のポジションが見えてきます。次回詳しくお話します。

(つづく)

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【profile】
恩田聖敬(おんだ・さとし)
1978年5月10日、岐阜県生まれ。岐阜北高―京都大―京都大大学院を修了し、2004年にネクストジャパン入社。ゲームセンター店長など、アミューズメント、エンターテインメント系の仕事に従事し、キャリアを積む。2012年、ネクストジャパンホールディングスがJトラストに吸収合併されて、同社に移る。2014年から岐阜フットボールクラブ代表取締役社長に就任。2015年1月、筋萎縮性側索硬化症 (ALS) の発症を公表し、2015年11月、社長退任を発表した。先日、クラウドファンディングによる新規事業を展開していくことを発表。

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