守ったFC東京、攻めた浦和。それでもACLで全滅した日本勢 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

 上海に乗り込んだFC東京は、4-1-4-1の布陣で主にサイドからの攻撃を封鎖するが、序盤から攻め立てられた。アンカーの高橋が最終ラインの前でふたをする一方、必要なら最終ラインに入りつつ各所をカバー。しかし右サイドにまわった中国代表のエース、ウー・レイの身体能力の高さに手を焼き、10番を背負うアルゼンチン人MFダリオ・コンカの抜け目なさに苦しんだ。ほぼ守備練習の様相を呈していた。

 しかし集中した守備を見せていたFC東京は、後半、千載一遇の好機を得る。攻め疲れて勢いが止まった上海に対し、わずかに盛り返していた。後半5分、羽生直剛のパスを受けた前田遼一が抜け出し、GKと1対1になった。しかし狭いニアポストを狙ったシュートは、相手GKに防がれてしまう。

 この後、上海は再び猛火を背負ったような攻撃を繰り出してきた。

 そしてFC東京のベンチは、守り抜く算段を整え始める。後半19分には水沼宏太に代え、阿部拓馬を投入し、4-4-2の布陣に変更。そして後半39分には羽生を下げ、センターバックの丸山祐市を入れ、5-4-1と完全に自陣に立てこもる。

 しかし結局、「守りきる」という受け身一辺倒の戦術策は敗れた。

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