2016.05.24

かつての宿敵ヴェルディ戦に見る、J2清水エスパルスの凋落

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

 ボールゲームを好む選手たちが多く、特性として受け身に回るのに慣れていないせいか、中盤の選手は不用意にボールにチャレンジし、簡単に守備ラインを突破されてしまう。その挙句、最終ラインが防備なしに相手の攻撃に晒(さら)されるありさま。それぞれの選手の距離感がみるみる悪くなり、波状攻撃を受ける。

 そして、前半44分だった。右サイドを完全に破られ、GKもかわされる。折り返されたボールを、身体ごと押し込まれた。

「ゲームの入りはよかったのですが、(失点シーンは)相手の大きな展開で(守備陣の)スライドが遅れてしまった。サイドバックが食いつくのか、カバーするのか、GKの判断も含めて、というところでした。あそこで失点というのは厳しかったです。崩れると、あのような形で……残念」(エスパルス・小林伸二監督)

 同点にされた直後だった。前半アディショナルタイム、エスパルスはあっけなく逆転弾を決められてしまう。

「前半最後の失点でばたついてしまって。なんとかしようと思い、もっとボールを保持したかったんですが、選手同士の距離感が広すぎました。簡単なパスミスからカウンターを食らってしまった。ひとつのパスをつける、ということからもっと突き詰めないと」

 エスパルスのセンターバック・角田誠は、言葉を絞り出すように語った。

 そのまま後半、エスパルスはほとんど挽回できず、45分間を過ごしている。途中、FWチョン・テセを投入し、4-2-3-1から4-1-4-1に布陣を変えたが、後方と前線の距離感を間延びさせただけだった。