福田正博が考える、五輪代表OA枠の適任者はズバリ「あの選手」 (2ページ目)

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by AFLOSPORT

 日本サッカーにとっても最終目標はW杯であるため、五輪では必ずしもメダル至上主義ではなく、「若い選手が成長するための舞台」としてとらえている面もある。

 これは日本だけに限らない。サッカー強豪国と言われる国々では、五輪代表が五輪本大会に出場しようがしまいが、必要以上に一喜一憂することはない。

 たとえば、今回のリオは日本と対戦するスウェーデンのほか、ポルトガル、デンマーク、ドイツがヨーロッパ予選を勝ち抜いたが、スペインやイタリア、フランスといったサッカー強豪国は出場を逃した。ただし、五輪に出場できなくてもそこまでの騒ぎにならないのは、ヨーロッパ強豪国は五輪に出場することをそこまで重視していないことを示しているといえる。また、五輪と同じ年にユーロ(欧州選手権)が開催されることも影響しているだろう。

 翻(ひるがえ)って日本は、立地的に世界レベルの選手たちと対戦できる機会が限られているので、五輪は国際経験を積む貴重な舞台。若い選手たちが、五輪で南米やアフリカ、欧州の同世代の選手と真剣勝負ができることに意義がある。そのため、1試合でも多くの試合をすることが重要になってくる。

 五輪代表に招集できる選手数は18名で、そのうちの3名は23歳以上の選手を招集することができる。もしOA枠を使うと、23歳以下の若い選手が経験を積む機会を奪うという考え方もある。日本サッカーにとっては、才能のある若手を最終目標であるW杯で日本代表として戦えるように、五輪という舞台で育てることが大きなテーマのひとつになる。

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