昨季Jリーグ王者・広島が敗退。なぜ日本勢はACLで苦戦するのか?
J1ファーストステージ第6節で浦和と日産スタジアムで対戦した横浜F・マリノスのMF中村俊輔は、浦和が5日前にACL(広州恒大戦)を戦っていたことについて触れ、「ACLの後は、日程的にホーム(の試合)にしてあげればいいのに」と語っていた。対戦相手さえも気を遣うほど、ACLの負担は大きいということだ。
だが、ACLが2月に始まることは最初から分かっていることである。だとしたら、もっと早く準備をすればいいだけではないのか、と思われるかもしれない。
しかし、そうもいかない理由もある。
例えば、昨季天皇杯で決勝に進出したガンバと浦和の場合、今年1月1日までタイトルをかけた公式戦を戦っていた。広島にしても天皇杯は準決勝(昨年12月29日)で敗れたものの、その直前はクラブワールドカップの過酷な連戦をこなしていた。
そこからわずか2カ月足らずの期間で、心身ともにしっかりと疲れを取り、リフレッシュし、さらに再びトップコンディションに上げることなど、不可能と言ってもいい。
日本勢のACLでの戦いぶりを見ていると、相手に一方的に押し込まれるわけではないし、試合内容がことさらに悪いわけではない。言ってみれば、勝負を分けているのは、高い集中力で試合に入れているかどうか、あるいは最後の最後まで戦い切れているかどうか、といったところ。やはり心身両面でのコンディションの問題は見逃せない。
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