昨季Jリーグ王者・広島が敗退。なぜ日本勢はACLで苦戦するのか? (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 唯一の例外は浦和で、J1で首位に立つあたりはさすがJ1屈指の充実した戦力を誇るだけのことはあるが、全体的に見れば、やはりJ1とACLを両立させることの難しさを物語る結果となっている。

 代表チーム同士の戦いであれば、アジアでトップレベルの力を持つ日本が、なぜこれほどACLでは苦しむのだろうか。

 そこには、やはり日程の問題が関わっていると言わざるをえない。

 今季2月にJリーグが開幕し、新しいシーズンが始まったばかりの段階で、長距離移動もともなうACLをJ1と並行して戦わなければならないのは、選手のコンディションを考えると相当に厳しいだろう。

 浦和のMF柏木陽介は「連戦の疲れというより、シーズンに入ったばかりでコンディションが上がりきっていないのがキツい」と言い、こう続ける。

「しかもJリーグと違って、海外の選手は球際が激しい。例えば、相手の足が出てくる瞬間にボールを浮かしてかわそうと思っても、足が深く強く入ってくるから、それができない」

 ある程度シーズンが進み、コンディションが上がってくれば、こうした激しさにも適応できるのかもしれない。また、中3日で試合が続いても問題はないのかもしれない。だが、シーズンが始まっていきなり、となると、やはり大きな負担となる。場合によっては負傷を引き起こす遠因にもなり、この先の長いシーズンに影響しかねない。

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