レスター流は日本人には不向き? カウンターサッカーに必須の選手とは

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

 そのためには、単独でシュートまで持ち込める高い技術とスピード、パワーを持つクリスティアーノ・ロナウドのようなFWを擁していることが大前提になる。相手DFを置き去りにするようなスピードがあればスペースを有効に使えるし、90年代後半にW杯やユーロなどで活躍したイタリア代表のクリスティアン・ヴィエリや、現在のスウェーデン代表のズラタン・イブラヒモビッチのように、高さとパワーを兼ね備えていてもいい。ストライカーには相手DFが嫌がる「スペシャルな武器」が必要だ。

 ただし、カウンターサッカーを成功させるためには、(1)のような特長を持つストライカーがいるだけでは充分ではない。(2)で挙げたようなセンターバックの存在こそが重要になる。

 自陣には味方選手と相手選手が多くいて狭い局面が多く、スペースを使われることはない。そのため、CBにスピードがなくてもさほど問題はない。それよりも、CBには高さと強さが求められる。なぜなら、試合を通して相手に押し込まれる時間帯が長いからだ。

 その点で現在世界最高峰のCBのひとりが、アトレティコ・マドリードのディエゴ・ゴディンだろう。ウルグアイ出身で足元の技術があり、187cmの高さと強靱なフィジカルで敵の攻撃を跳ね返す。さらに、ボールを奪うと攻撃の起点として組み立ても行なう。

 アトレティコ・マドリードが強固で組織的な守備とカウンター攻撃を主体にして、今季もチャンピオンズリーグで結果を残しているのは、ゴディンがいるからと言っても過言ではない。

 攻守で(1)と(2)の人材が揃っている場合、カウンターを成功させるために重要になるのが守り方になる。中央に高くて強いセンターバックを置くメリットを最大限に生かす守備をし、そこで確実にボールを奪い取って前線へフィードする。これを実行するためには、サイドでの守り方がオーソドックスな守備とはやや異なってくる。

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