2016.04.30

実は守備的? 福田正博が解き明かす、ポゼッションサッカーの本質

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

 バルセロナにしても、スペイン代表にしても、北欧やドイツなどヨーロッパのほかの地域に比べ体格的に恵まれていない。そんな彼らが、真っ向からぶつかるフィジカル勝負のサッカーをした場合、勝ち目は薄い。そこで生まれたのが、「ポゼッションを高めることで自分たちが守備をする時間を減らす」という考え方だ。

「敵を自陣ゴールから遠ざけることで、失点を減らす」という発想であり、攻撃は最大の防御ともいえる。捉え方によっては「攻撃をしかけずにボールをキープし続ける」ことで守備をしているともいえる。そのため、「ポゼッションサッカーは守備的」という見方もできる。

 日本代表では、ザッケローニ元監督時代にポゼッションサッカーを標榜した。2014年のW杯ブラジル大会でグループリーグ敗退となり、結果こそ出せなかったが、テクニックに磨きをかけるのが好きな日本人には合っているスタイルかもしれない。

 ただし、強豪国と戦うにはまだまだ技術力が足りないし、スピードのある技術力の高いセンターバックをどう育てるかという問題もある。さらに、ポゼッションサッカーには連動性が不可欠なのだが、これはチーム全員が一緒に練習して多くの試合をこなす長い時間が必要であり、日本代表の海外組が増えている状況下では、連動性を高めるための練習時間を確保できないという制約もある。

 そうした制約を考慮したのか、現在の日本代表を率いるハリルホジッチ監督はザッケローニ元監督時代の方針とは異なる、「縦に速いサッカー」も志向している。次回はその縦に速いサッカーの攻撃のベースになるカウンター、およびショートカウンターについて考察していきたい。

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