FC東京は守備崩壊。ACLの日本勢は戦力より「戦略」で負けている

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

全北現代に敗れて肩を落とすFC東京の選手たち全北現代に敗れて肩を落とすFC東京の選手たち 4月20日、東京スタジアム。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)第5節、FC東京は全北現代(韓国)と戦い、0-3と一敗地にまみれている。これによってE組首位から3位に後退した。

「最終節のビン・ズオン(ベトナム)戦で勝つか、引き分けても全北が江蘇蘇寧(中国)に勝てば決勝トーナメント進出」という有利な条件ではあるが、行く手に黄信号が灯った。

 ACLの日本勢は、浦和レッズがグループリーグを勝ち抜いたものの、ガンバ大阪、サンフレッチェ広島は最終節を前に敗退が決まっている。Jリーグのレベル低下を叫ぶ声も聞こえる。確かに外国人選手の力は一時より落ちたし、中国サッカー界の興隆は明らかだろう。しかし「日本人選手は中国や韓国の選手より劣る」と卑下する必要はない。日本勢はむしろアジアで警戒され、研究されている。すなわち、戦略的に敗れているのだ。はたして、FC東京はJリーグの面目を守れるのか――。

「根本的に見直すしかない」

 試合後の記者会見で、城福浩監督はそう言って肩を落とした。リーダーとして言葉に力を込めようとするが、落胆の色を拭いきれない。

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