J2復帰したばかりで堂々2位。町田ゼルビアの強さは「本物」か (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 昨季金沢はシーズン前半の快進撃から一転、後半戦に大失速し、最終順位はJ1昇格プレーオフ進出圏内(3~6位)すらも大きく遠ざかる12位。2013年の長崎にしても、最終順位は6位でJ1昇格プレーオフに進出したものの、一時はJ1自動昇格(2位以上)すらも射程圏内にあったことを考えれば、やはりシーズンが進むにつれ、徐々に失速した印象は否めない。

 町田にしても、真価が問われる戦いはこれからだ。

 当の本人たちも、そのあたりは百も承知だろう。これ以上ないほどのスタートダッシュを切りながらも、あくまで謙虚な姿勢を崩さない。

「チャレンジャーとして戦い抜いてきたおかげで、ここまで(5連勝と)勝利を重ねることができた。だが、今日(千葉戦)は先に1点取ったことでチャレンジするよりも、1点をどうしても守りたいというマインドが強く出てしまった。失敗を恐れずチャレンジする姿勢を、90分間見せ続けることができずに残念だ」

 相馬監督はそう語ると、「自分たちの立ち位置を見つめ直さないといけないと言われたような追いつかれ方だった」と、険しい表情で続けた。

 痛恨の失点で連勝ストップという幕切れに、気持ちは選手たちも同じだった。GK高原寿康は「今まで勝った試合も(勝つか負けるか)紙一重だった」と言い、こう語る。

「相馬さんからは『選手間の距離を近くし、互いに声が聞こえる距離でコンパクトにサッカーをしよう』と言われているが、後半は間延びしてセカンドボールが拾えず、相手ペースになった。それでも、今まで勝てたから今日も勝てるのではないかという雰囲気がピッチの中にあった」

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