名波監督が詳しく語る「ジュビロがJ1で勝つための中長期的ビジョン」 (4ページ目)

  • 浅田真樹●構成 text by Asada Masaki
  • photo by AFLO

「どうなんでしょうね……。自分がメンバーを選ぶときには、そういう考えはまったくのゼロですよね。ゼロですけど、言われてみれば、深層心理の中にはあるのかもしれないですね。左利きだったら、こういう場面でも相手をうまくいなしてくれるんじゃないかとか、実はそういう願望がなくはないのかもしれません。ただ、さっきも言ったように、どっちに攻撃が偏るとか、そういう話はナンセンスもいいところですよ」

――名波監督の理想のサッカーというのは、自分が現役のときにジュビロでやっていたサッカーとイメージが重なりますか。

「いや、そんなことはまったくないです。言葉で簡単に表現するなら、人もボールもよく動いて、ゴール前の回数が多くて、シュートが多くて、特に枠内シュートが多いゲームをすること。そういうゲームができれば、見ている人が90分間ずっとスリリングな感情を持ち続けられると思うので。中盤でプレッシャーをかけ合うようなゲームも、それはそれで面白いのかもしれないけれど、感情の生まれ方としてはちょっと単発的で、自分自身はあまり好きじゃない。バルセロナやバイエルン・ミュンヘンのサッカーが称賛されるのは、守備が終わった瞬間から攻撃が始まり、攻撃が終わった瞬間から守備が始まり、常にゲームが動いているから。だから、見ていてもドキドキ感がずっと続いていくんだと思います」

――名波監督は現役時代、結果はもちろんですが、それ以上に試合内容にかなりこだわっていました。監督になって、そうした考えに何か変化はありますか。

「もちろん、結果も内容も両方大事。基本的にそれは変わらない。だけど、これはいつも言っていることだけれど、監督としては勝つことが大前提。今、ピッチの外にいる立場になって、勝つためにどうするか、勝つ準備をどれだけできたかっていうことをしっかりと考えなければいけない。それは強く思っています」

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