川崎Fと鹿島がⅤ候補であることを改めて証明した「天王山」 (4ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 確かに、この日の川崎には、いつもの“らしさ”が見られなかった。しかし、言い換えれば、それでも首位を争うライバルに先制されながら追いつき、引き分けに持ち込んだ。この勝ち点1の持つ意味は小さくない。加えて、こうした試合を重ねることが選手層を厚くし、誰が出ても一定のレベルを保つことにもつながっていく。

 そして、風間監督は最後にこう言った。

「(数人の主力を欠く中で)この選手たちはよくやってくれた」

 この試合は、単に1位と3位の直接対決だったというだけではない。川崎と鹿島は戦力的に見ても、間違いなくJ1トップクラス。しかも、開幕前に“3強”の呼び声高かったサンフレッチェ広島、ガンバ大阪、浦和レッズは、AFCチャンピオンズリーグを並行して戦わなければならないが、両クラブはともにJ1に絞って戦える有利さを持つ。

 互いに譲らず、勝ち点1ずつを分け合った痛み分けは、両クラブが今季の優勝候補であることを改めて示した試合だったのではないだろうか。

●Jリーグ記事一覧>

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る