シリア戦での原口元気の起用法が示すハリルホジッチ監督の狙い (4ページ目)

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Fujita Masato

 日本代表は原口投入でリスクを負った結果、幾度かのピンチを招いたが、追加点を奪うことで勝利を引き寄せた。今後も原口をボランチで起用するのには賛同しかねるが、少なくともシリア戦での日本代表はリスクを負うとどういった危険が生じ、それをどうマネジメントすべきかという課題を手にすることになった。

 これは、もし仮に1−0で逃げ切る采配をしていたら見えてこなかったものだ。チームというのは、課題があるからこそ成長を遂げていく。この先に控えるW杯アジア最終予選やW杯ロシア大会では、対戦国のレベルはさらに高くなる。強い相手に対しても結果を残せるように、日本代表を大きく成長させるという視点に立てば、この2試合は勝敗や内容もさることながら、ハリルホジッチ監督が選手に求める姿勢が、具体的な形として見えたことが最大の収穫だったと言える。

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