好調の川崎、出遅れた広島とG大阪。Jリーグ再開後を福田正博が分析

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 Jリーグ1stステージの開幕から約1カ月。第4節までの各チームの戦いを振り返ってみたい。 

川崎フロンターレの中心として活躍している大久保嘉人と中村憲剛川崎フロンターレの中心として活躍している大久保嘉人と中村憲剛 圧倒的な攻撃力で、開幕ダッシュに成功したのが川崎だ。3勝1分け、勝ち点10で7年ぶりに首位に立っている。

 開幕戦は昨季王者・広島のホームに乗り込んで1−0で勝利。開幕前にキャンプ地を訪れた時に、風間八宏監督が「就任5年目で守備の練習に力を入れている」と話していた成果の出た試合になった。

 しかし、その後は課題の守備で脆さを露呈。湘南戦は4失点(4−4の引き分け)、名古屋戦は2失点(3−2で勝利)。失点の原因は明確だ。川崎が相手を一方的に押し込む試合展開になったことにある。

 川崎はDFラインにも攻撃面に特長を持つ選手を揃えるため、相手を押し込むと自陣にスペースが生まれる。そして、リスクを冒して両SBが高い位置を取り、中村憲剛、大島僚太の両ボランチは、リスクマネジメントをするよりも、攻撃的なプレーを選択する傾向が強い。そのため、湘南のようにボールを奪うと選手が一気にスペースに向けて走り出すチームや、永井謙佑というスピードを武器にする選手がいる名古屋相手には、つけ込まれやすいといえる。

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