広島、G大阪、浦和、FC東京。二兎を追えるACL出場クラブはどこ? (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by Getty Images

 そして最後に浦和だが、4クラブのなかでは数字に目立った特徴がない。先発出場した選手は20人で広島に次ぐ多さだが、4試合以上に先発した選手も11人おり、FC東京と並んで最多。これだけでは「ターンオーバー型」なのか、「ベストメンバー型」なのか、判断が難しい。

 ところが、浦和の数字には“トリック”がある。というのもACL第2節(浦項とのアウェー戦)のみ、選手を大きく入れ替えた結果、6試合のうち、この1戦だけに先発した選手が5人もいるのだ。

 このACL1試合を除いて考えれば、他の5試合はメンバーをほぼ固定。4試合以上に先発しているコアメンバー11人のうち、少なくとも9人が先発している。

 しかも、青木拓矢(3試合先発)、永田充(2試合先発)はすべてACL。興梠慎三(3試合先発)、李忠成(2試合先発)はすべてJ1と、使い分けもはっきりしている。

 つまり、起用の傾向としてはFC東京と同じだと考えていい。コアメンバーの層がFC東京よりも厚い分、選手を回して使っている印象が強いということだろう。

 もちろん、どれが正解というものではないし、そもそも負傷者の発生など、不測の事態も当然あり、すべての選手起用が予定して行なわれたものとは限らない。

 とはいえ、こうした数字から見る限りでは、特定の選手に負担がかからない戦いをしているのは広島。現段階では広島がJ1、ACLともに最も成績が悪いが、言い換えれば、余力を残した戦いをしているともいえる。

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