小笠原満男の大志「被災地から多くのJリーガーを生み出したい」 (3ページ目)

  • 佐野美樹●文・撮影 text&photo by Sano Miki

南相馬市のイベントで地元の子どもたちとサッカーを楽しむ小笠原満男南相馬市のイベントで地元の子どもたちとサッカーを楽しむ小笠原満男 イベントを終えて、小笠原はこう語った。

「今回の(南相馬市での)イベントに来てくれた子どもたちの中にも、身寄りがいなかったり、いまだ仮設住宅から学校に通っていたりする子がいる。それについては、どうしてあげることもできないけれど、僕らとサッカーをすることで、なんかこう……前に進むっていうか、がんばろうって思ってもらえる力になれたら、うれしいなぁとは思います」

 だからこそ、小笠原をはじめ『東北人魂』のメンバーは皆、試合では子ども相手にも手加減せず、大人気ないと思われながらも全力で対峙する。それが、彼らのこだわりでもある。

「まだまだ厳しい環境下にあるかもしれないけど、ほんと、僕らに続くJリーガー、東北出身のJリーガーが出てきてほしいんですよ。だから、こういうイベントであっても、『プロ相手でもやっつけてやるぜ!』っていう気概や根性を持った子が出てきてほしい。そのためにも、僕らが小さい子どもたちとも真剣に向き合って、少しずつ彼らの意識を変えていってあげられればいいし、『あんな選手になりたい』って思ってもらえるようなきっかけに、この活動がなればいいなって思うんです」(小笠原)

『東北人魂』の活動は今年で5年目を迎え、方向性は固まりつつある。これまでの活動を振り返りつつ、未来に向けて、小笠原が言葉をつないだ。

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