阿部勇樹は誓う。「優勝して家族に『ありがとう』って言いたい」 (3ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

「啓太が引退して、寂しいし、僕らもそういう年齢になってきたのかな、とは思いましたね。ただ一方で、ナラさん(楢崎正剛・39歳/名古屋グランパス)、シュンさん(中村俊輔・37歳/横浜F・マリノス)やボンバーさん(中澤佑二・38歳/横浜F・マリノス)など、上の人たちもまだまだたくさんがんばっている。みんな、一緒に戦ってきた先輩なので、自分もがんばらないわけにはいかない。

 同世代でも、ヨシト(大久保嘉人/川崎フロンターレ)が3年連続得点王に輝いた。それにはすごく刺激を受けたし、海外サッカーもよく見ているので、そういうところからもまだ多くの影響を受けている。いつまで(現役)、とは言えないですけど、できるだけ長くレッズのためにプレーしたいと思っています」

 34歳となっても、いまだ強靭な肉体を誇り、疲れ知らずのプレーを見せる阿部。その姿には驚かされるばかりだ。ここ2年、リーグ戦では全試合フル出場を果たした。指宿キャンプでも、体調に合わせて別メニューが許されるベテランの立場にありながら、20歳前後の若手と同じメニューを平気でこなしていた。阿部が「鉄人」と言われるゆえんはそこにある。

「みんなと一緒に練習するのが習慣になっているので、若手と同じメニューでも気にならない。チームから『別メニュー』って指示されたら考えるけど、今は自分の判断で全部やっています。かつて(所属していたジェフ千葉の監督だった)オシムさんが、『サッカーをやり過ぎても死ぬことはない』って言っていましたけど、本当にそうだなって思うし、あと(オシム監督から)『休むのは現役を引退してからでいい』と言われたことが、今も自分の中には残っているんです」

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