横浜の一等地から河川敷へ。環境激変のF・マリノスがなぜか元気に (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Kyodo News

 モンバエルツ体制2年目、攻守は一体になりつつあるということか。

「去年と比べたら、監督のやりたいこともできていると思います。個人的にも、(選手の)間に入ってプレーしたり、二列目でターンできたり、“今年はいける”という感触はありますね」

 そう言いながら目を輝かせたのは、昨季アデミウソンに次ぐ7得点を記録した攻撃的MF、齋藤学だ。

「言い方は難しいですが、アデ(ミウソン)の移籍はプラスに、と考えるようにしています。もちろんアデの存在は大きかったし、おかげで自分が活きてるところもありました。でも、今シーズはアデの役割を自分がやって、若い選手たちを活かしたい。天野(純)みたいに若手にいい選手がいるし、一気に伸びるチャンスだと思うから。(3年前に)優勝できなかった悔しさは忘れていませんよ。天皇杯に優勝しても、W杯メンバーに入っても、あの穴は埋まっていない」

 マリノス生え抜き選手である齋藤は、ボールボーイとしてチーム優勝の瞬間に立ち会っている。その夢は力の源泉になった。その彼が、今のマリノスの若手や下部組織の少年たちと優勝の感動を共有したい、と願うのは自然だろう。

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