U-23主将の遠藤航は、レッズにどんな「化学反応」を起こすのか (5ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 昨シーズン、レッズは年間で40失点。王者となったサンフレッチェ広島が30失点だったことを踏まえれば、タイトル獲得にはやはりその差を埋めることが重要になる。遠藤の役割は、まさにそこにある。

「ポジショニング、カバーリング、1対1の強さなど(守備に関すること)は自信を持ってやっているし、リオ五輪の最終予選では、流れが悪いときにどんな声をかけたらいいのか、とか、失点しないように我慢して、勝負どころを見極めて仕留めることを学んだので、そういう部分はすぐに試合で出せると思う。僕は守備の選手だと思っているので、そこで貢献したいと思っています」

 遠藤の言葉や態度からは、決して余裕は感じられないが、自信のほどは伝わってくる。もともと物怖じせず、緊張しないタイプである。そのくらいの強さがなければ、レッズでは生き残っていけないだろう。

 まして今季は、リーグ戦に加えて、ACL、カップ戦、天皇杯、さらにリオ五輪本大会、A代表のW杯予選など、遠藤の前には昨年以上のハードスケジュールが待ち構えている。それなりの自信と覚悟がなければ、この1年を乗り切ることはできない。

「忙しいのは、覚悟しています。ただ昨年も、代表とチームで活動していて、うまく切り替えてプレーすることができたので、(スケジュール的なものは)それほど心配していません。逆に、いろいろなことを経験できるシーズンというのは、自分のサッカー人生の中でもそんなに多くあるわけではないと思うので、さまざまな活動ができることを楽しみにしつつ、成長できるようなシーズンにしていきたい」

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