U-23主将の遠藤航は、レッズにどんな「化学反応」を起こすのか (2ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 遠藤の加入により、守備陣の選手たちは刺激を受け、危機感をあらわにした。実際、サバイバルレースに火がついて、森脇などは目の色を変えて、黙々と練習に打ち込んでいた。熾烈な競争の場に置かれて、選手たちはそれだけ集中力が増している印象だ。

 それが、ペトロヴィッチ監督の、遠藤獲得の狙いのひとつだとすれば、まずは思いどおりに事は運んでいるようだ。

 そうした状況の中、遠藤自身も厳しい競争下に置かれている。少なくとも今のところは、ペトロヴィッチ監督も遠藤のためにポジションを用意してはいない。同指揮官には、レギュラーの座は奪ってこそ価値がある、という考えもあり、たとえ待ち望んだ"恋人"だとしても、激しい競争に打ち勝つことができなければ、出番は与えないはずだ。

 では、遠藤はどこのポジションで勝負し、レギュラーの座を狙うべきか。

 最初の練習試合で、遠藤はボランチで起用された。だが、昨季序盤戦の快進撃の原動力となり、抜群のコンビネーションを見せた阿部&柏木のペアを解消することは、まず考えられない。ボランチ起用があるとすれば、リードした状態で終盤逃げ切りを図る際の途中出場か、リーグ戦と同時進行となるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)での先発出場、というのが現実的ではないだろうか。

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