本命はどこか。福田正博が分析する今季J1優勝を争う6チーム (2ページ目)

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

 さらに、高い技術力を持ちながらもここ数年伸び悩んでいた感がある23歳のFW宮吉拓実(前・京都)も楽しみな存在。若手を起用しながら育てるのがうまい森保一監督のもと、手本とすべき佐藤寿人というFWがいる広島でブレイクを遂げてもらいたい。

 FW以外の補強も抜かりがない。今年、広島はACLも戦うため、過密日程は不安要素になるが、ミキッチの残留に加え、両サイドでプレーできる運動量豊富なキム・ボンヨン(前・山形)を獲得した。茶島雄介、柏好文、野津田岳人、清水航平といった若いMF陣も力を伸ばしており、選手層、バリエーションともに豊富になっている。


 浦和レッズは今年、遠藤航(前・湘南)と、スロベニア代表DFのブランコ・イリッチを獲得して守備を強化した。この2選手の加入によって、守備の中心である阿部勇樹の負担は減り、DFの那須大亮を中盤で起用するオプションも生まれる。

 充実しているのは守備陣だけではない。攻撃陣は昨季開幕前に数多く獲得した選手たちがコンビネーションをさらに深めていることに加え、移籍1年目を故障で棒に振った石原直樹も復活を狙っている。間違いなく優勝候補の一角だ。

 だが、問題もある。石原を含めて、興梠慎三、ズラタン、李忠成といった豊富なFW陣を、ペトロビッチ監督がシーズンを通じてどう起用するのか。力のある選手が多くなるほど層は厚くなり、前線のバリエーションが増える反面、試合に出場できない選手はモチベーションを維持するのが難しくなる。これに対してペトロビッチ監督がどうマネジメントし、チーム力をシーズン終盤まで保っていくのかも見どころだ。

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