柏レイソルが千葉に完敗。ブラジル人新指揮官は笑いで不安を隠す? (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Tamura Sho/Aflo Sport

 今季から就任したブラジル人、ミルトン・メンデス監督はそう言って選手をかばった。

「ゲーム開始早々、失点したのも響きましたね。昨季同様、3点ともセットプレーからで......。ただ、得点へのプロセスは見せられました。トリックプレーなど、練習から取り組んできたことを試合に落とし込んでくれたと思います。これから改善に向かうでしょう」

 小学校の校長が生徒に声をかけるように落ち着いて見せた。しかし、一番不安なのは指揮官なのかもしれない。どう見ても、問題が山積みだったからだ。

 千葉戦は、とにかく選手の距離感が悪すぎた。メンデス監督はピッチを広く使おうと、選手間の幅を大きく広げようとしている。理論的には正当だが、「ポゼッション」を志すには無謀な距離感覚(カウンターに近い)と言えるだろう。出し手と受け手の距離が遠すぎ、パスコースは相手に読まれやすく、当然だが精度も落ちていた。相手のボランチのラインさえ突破できていなかった。

「まだ、ボールを動かす人と(受け手)の距離が遠いですね。目一杯、広がるようには言われていますが、相手に合わせて柔軟にできるようにならないと。例えば前にスペースがあるときは、センターバックがもっとボールを運んでいってもいいかもしれません」


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