福田正博が分析。五輪代表・手倉森監督が見せた「勝負師の采配」 (5ページ目)

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburou

 また、GKを含めたDFラインの選手を試合ごとに代えていたが、これは、結果が出ていなければ無謀との誹(そし)りを受けてもおかしくなかった。多くの監督ができる決断ではないが、その決断を下せたのも、やはり手倉森監督が勝負師だからだろう。

 ただし、リオ五輪では対戦相手のレベルも上がるため、これからチームの地力をさらに高めなくてはならない。そのため、今後はチームの軸をつくって戦うことも考えているはずだ。

 ドーハから帰国した手倉森監督は、優勝の余韻に浸る間もなく、リオ五輪に向けて選手をチェックするために、早速Jリーグ各クラブのキャンプ地を巡っている。

 国際大会の経験が乏しいリオ世代に、五輪の舞台で1試合でも多く国際経験を積ませるために、手倉森監督がどういった決断をするのか。オーバーエイジ枠を使うかどうかも含め、今後も手倉森監督の動向に注目していきたい。


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プロフィール

  • 福田正博

    福田正博 (ふくだ・まさひろ)

    1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。

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