「被災地にグラウンドを!」アントラーズ小笠原満男の熱き思い (5ページ目)

  • 佐野美樹●文・撮影 text&photo by Sano Miki

 現在、小笠原はグラウンドプロジェクトのスタッフ(※スタッフは皆、小笠原の同級生でボランティア)とともに、toto(スポーツ振興くじ)の助成金を活用するなど、市民や地元行政に資金負担がなるべくかからないアイデアをいくつか大船渡市に提案し、働きかけている。そして大船渡市としても、人工芝グラウンド創設への思いはあるようで、前向きに検討を始めてくれているという。

「関東をはじめ、全国の中・高校生に来てもらったら、存分に試合をしてもらって、被災地もしっかりと案内したい。そして、いろいろなところから来た中・高校生には、こちらで見た景色や、こちらで過ごした思い出などを、地元に帰ってから多くの人たち話してほしい。そういうことが、少なからず震災の風化を止める力になってくれると思っています。そのためにも今後、サッカーフェスティバルや他のスポーツの大会など、こちらでどんどん開催できればいいと思っています。それにはやはり……早く人工芝のグラウンドを作りたいですね」

 まもなく東日本大震災から、丸5年が経過する。小笠原の描く復興への道のりは、まだスタートラインにあるのかもしれない。


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