夏冬二冠の東福岡。「最弱世代」が高校サッカーの頂点に立てたワケ (5ページ目)
事実、選手権で彼らは、常に貪欲な姿勢を崩さなかった。夏の王者ながら、まるでチャレンジャーのように目の前のボールに食らいつき、懸命に走って勝利を重ねていった。メディアに注目されても浮かれることなく、勝っても決しておごらずに、ひたすら目前の勝利だけを目指して泥臭く戦ってきた。
そしてついに、ひとつ上の先輩たちが果たせなかった選手権のタイトルまで手にした。中村が語る。
「僕たちは“最弱”と言われてきたので、勝っても絶対に過信しないようにしていた。この謙虚さがあったからこそ、ここまで来ることができた」
東福岡には、Jクラブに内定している選手はいない。「エース」と呼ばれる絶対的な選手もいなかった。それでも“反骨心”を持って、“謙虚な姿勢”で戦うことによって、頂点まで上り詰めた。
勝利をつかむために、最も大切なものは何なのか。彼らの戦いぶりを見て、多くの人々が学んだのではないだろうか。
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