MLS移籍の工藤壮人。柏レイソルの後輩からかけられた言葉 (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 松岡健三郎/アフロ●写真 photo by Matsuoka Kenzaburo/AFLO

 そして工藤は、自分を縛っていた縄から解き放たれる。

「“レイソルの中心選手として生きていく”というのは一つの決断で、格好いいとも思います。でも自分は違う道を行くことに決めました。レイソルで築いた地位や名声を捨て、一からのスタートで、ゴールすることに集中してプレーしたい。自分のゴールによって生き残る、その勝負に懸けたいですね。レイソルのために、と向けていた矢印を、全部自分自身に向け、一人の男としても成長したい」

 1月10日には浅草寺で初詣をし、翌日、カナダへ向けて出発した。すでに未練はない。メディカルチェック後、正式契約となるだろう。2月に北米各地を周るプレシーズンを行なった後、3月初旬のMLS開幕を迎える。

「レイソルを退団してみて、こんなに愛されていたんだな、というのを実感しています。本当に感謝ですよ。これからは、バンクーバーでも愛されるように」

 挑戦者は顔をくしゃくしゃにし、陽光が似合う笑みをこぼした。
 
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