元レイソル工藤壮人、カナダへ出発。彼はなぜMLSを選んだのか

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by AFLO

 カナダ出発に向け、工藤は慌ただしい年末年始を過ごしていた。12月30日にレイソルユース時代の同期生たちと蹴り納めしてからは、親戚や家族や友人と過ごす時間をできるだけ多く取った。いつも試合を見にきてくれる親戚からは、「これから週末は何をしよう?」と残念がられた。妻の両親に至っては、アウェーゲームも車で行ける場所には応援に駆けつけてくれていたのだ。

 工藤は様々な思いを振り切り、今日1月11日、MLSでの挑戦に旅立つ。

「向こう(ホワイトキャップス)からは最初、『1月4日に来てほしい』と言われていたんです。でも、日本の年末年始は市役所が閉まっていて、住民票など書類関係が揃わなくて。海外移籍は他にも細々したことがあるんですね。衛星放送の解約をしたりだとか、準備や荷造りに追われています。実際に正式なオファーが届いたのは12月になってからで、話がまとまったのも下旬のこと。だから、実際には現地に入ってみないと分からないことばかりです」

 そう言って肩を竦(すく)める彼は、10歳から15年間を過ごした柏を離れようとしていた。
(つづく)

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