高校サッカー決勝。東福岡vs國學院久我山の勝敗を決めるカギ (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Etsuo Hara/Getty Images

 一方の國學院久我山は、夏の高校総体では1回戦敗退。また、ユース年代のトップリーグであるプレミアリーグに属する東福岡に対し、國學院久我山が属するのは東京都リーグ。それも4位に終わっている。

 ユース年代のリーグ戦は現在、プレミアリーグ(全国リーグ)、プリンスリーグ(地域リーグ)、都道府県リーグの順で段階分けされており、Jリーグに例えるなら、J1の東福岡に対し、國學院久我山はJ3といったところ。それどころか、各リーグに所属するチーム数や、上位リーグへ昇格することの難しさを考えれば、プレミアリーグと都道府県リーグの間には、J1とJ3以上の違いがあると言ってもいいだろう。

 少なくとも今大会前の立場においては、両校の間にかなりの差があったことは間違いない。

 とはいえ、短期間であっても急激に成長するのが、高校サッカーの面白さ。今大会の戦いぶりを見る限り、もはや両校に肩書ほどの差はない。それどころか、準決勝を終えた今となっては、國學院久我山に分があるとさえ思えてくる。

 國學院久我山が準決勝で対戦したのは、青森山田(青森県)。東福岡同様、プレミアリーグEASTで2位となり、今大会の優勝候補と見られていた「東の横綱」である。当然、試合前の予想では、青森山田有利が大勢だった。

 ところが、立ち上がりから試合の主導権を握ったのは、國學院久我山のほうである。得意のショートパスを面白いようにつなぎ、中盤を制圧。前半17分に警戒していたロングスローから青森山田に先制を許したものの、動じることなく前半25分にたちまち追いつくと、その後もペースを握り続けた。

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