高校サッカー選手権、実力校が激突する準決勝「4校のキーマン」 (4ページ目)
2試合目(14時20分キックオフ)は、6大会ぶりにベスト4に駒を進めてきた青森山田と、初の4強入りを遂げた國學院久我山が対戦する。
このゲームでは、青森山田が主導権を握る展開になりそうだ。というのも、青森山田はJ1湘南ベルマーレ入りが内定しているMF神谷優太(かみや・ゆうた/3年)に、J1ベガルタ仙台入りが内定しているDF常田克人(ときた・まさと/3年)、さらにU-18日本代表GK廣末陸(ひろすえ・りく/2年)らタレントを擁し、選手個々の技術とスピード、そしてパスワークにおいて、國學院久我山を上回っているからだ。
そのうえで今大会、青森山田は“最強の武器”を保持している。黒田剛監督が「飛び道具」と言う、原山海里(はらやま・かいり/3年)のロングスローだ。
原山のスローイングは、優に40メートルは飛ぶ。それも、ライナー性のボールで味方の頭にピタリと合わせることができる。まるで、精度の高いCKのようだ。1回戦の大社(島根県)戦での2得点、3回戦の桐光学園(神奈川県)戦での劇的な同点弾も、この原山のロングスローから生まれている。黒田監督も、「(スローイングに)磨きをかけてきた成果が出た」と満面の笑みを浮かべる。
そんな驚異のロングスローと、個の能力の高さに注目が集まる青森山田だが、本当の強みは「全員守備、全員攻撃」(神谷)だ。守備では、ポテンシャルの高い選手たちが献身的に走り回って敵にプレッシャーをかけ、セカンドボールを奪取。球際では体を投げ出して、泥臭いプレーで相手に自由を与えない。
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