高校サッカー選手権、実力校が激突する準決勝「4校のキーマン」 (2ページ目)

  • 粂田孝明(ストライカーDX編集部)●文 text by Kumeta Takaaki(STRIKER DX)
  • photo by Shingo Ito/AFLO SPORT

 その中村からのパスを受けて、ゴールを決めるのは、1トップの餅山。身長184cmという高さに加え、強さ、速さも兼ね備えた"超高校級"のストライカーだ。2回戦の新潟明訓(新潟県)戦では、中村のパスからハットトリックを達成。3回戦の市立船橋戦ではゴールこそ挙げられなかったものの、前線で圧倒的な存在感を見せて、市立船橋DF陣に脅威を与え続けていた。

 また、東福岡にはピッチを広く使った伝統のサイド攻撃がある。右の三宅海斗(みやけ・かいと/3年)、左の髙江麗央(たかえ・れお/2年)が、持ち前のスピードとドリブルなどで両サイドをえぐって、そこからフィニッシュにつなげる"必殺パターン"。1回戦の遠野(岩手県)戦、準々決勝の駒澤大高戦では、このサイド攻撃から得点を生み出し、その破壊力は相当なものだ。

 現に、対戦する星稜の河﨑護監督が最も警戒しているのが、この東福岡のサイド攻撃だ。

「両サイド(の選手)がワイドに広がって、1対1の勝負を仕掛けられたら、うち(のDF陣は)どうなるのかなぁ......」と、河﨑監督は不安を漏らす。

 同様の懸念は、選手たちも持っているようだ。「おそらく(準決勝では)押し込まれる場面が多くなると思う」と、ゲームメーカーの大橋滉平(おおはし・こうへい/3年)は、東福岡の攻撃に警戒心を強めている。

 そうは言っても、東福岡の攻撃に対する策がないわけではない。河﨑監督は、「守備のときに狙いを持って、インターセプトを仕掛けないといけない」と相手のパスを分断し、どう自分たちの攻撃につなげるか、というイメージを描く。大橋も、チームのベースである堅守速攻の強みを生かすつもりだという。

「うちは、運動量が持ち味。ボールを持たれても、前からプレスを掛けて、奪ってからどうカウンターで攻めるかを考えたい」

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