もう一つの高校サッカー「ニューバランスカップ」は流経大柏が優勝 (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada masaki

 と同時に、本田監督は「この大会が『裏選手権』と言われているように、今年の力関係を見る機会になっているのではないか」とも語る。

 プロのチームと違い、毎年必ず選手が入れ替わる高校のチームは、前年の実績がそのまま翌年の実力に反映されるとは限らない。そこにチーム作りの難しさがある一方で、フタを開けて見なければ分からないおもしろさがあるのも、高校サッカーならではの魅力だろう。

 今大会には、現在開催中の高校選手権に出場できなかった高校が集まっていたとはいえ、このなかから来年度の高校サッカーシーンで主役を務めるチームが現れても不思議はない。実際、昨年のこの大会で優勝した市立船橋(千葉)が、今年度の全国高校総体では準優勝している。

 その意味で言えば、来年度の主役候補にふさわしいインパクトを残したのは、やはり優勝した流経大柏である。本田監督が語る。

「いつもは(攻撃的に)前から前から行ってしまってポロポロ失点するが、(今年のチームは)例年になくディフェンスから入れている。こういう年は強いのではないかと思う」

 同県内に市船という最強のライバルが存在するため、今年度の高校選手権出場こそ逃したものの、前述したように流経大柏の強さは全国屈指。新チームになっても「流経大柏、なお強し」を印象づけた。

 本田監督は「1年生にいい素材がいるが、まだまだこれから」と先を見据えており、今後このチームがどんな成長を見せるのか楽しみだ。

 なお、優勝、準優勝の両校には、特別協賛のニューバランス フットボールより、副賞としてランニングシューズが贈られた他、大会期間中は会場内に同社のスパイク体験ブースが特設され、4日間で250人以上の選手がその履き心地を試していた。

 流経大柏の優勝で幕を閉じた、今年のニューバランスカップ。この大会を経験した高校1、2年生の選手たちが来年度、数々の大会で大きな飛躍を遂げることを期待したい。

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