2016.01.06

高校サッカー選手権で光った3校に見る「個人技と球際の強さ」

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Etsuo Hara/Getty Images

 野洲と言えば、ショートパスとドリブルを組み合わせた「セクシーフットボール」で2005年度(第84回)大会を制した強豪校。その野洲のお株を奪う形で圧倒したことは、小さからぬ衝撃だった。

 聖和学園もまた、スタイルへのこだわりは半端なものではない。昨夏にスペイン遠征を行ない、現地の大会に出場した際、「ヨーロッパは戦術と組織が優れていて、ボロクソにやられた」(聖和学園・加見成司〈かみ・せいじ〉監督)。それでも「やっぱりフィジカルを鍛えないとダメだ、とは思わなかった。意地でも個人技でやってやると思った」(加見監督)という。

 個人技術の強化を指導のベースに置くことは、今では高校年代での常識となっているが、なかなか結果につながらなければ、迷いが生じることもあるだろう。だが、こうした“先駆者”が結果を残していくことで、次に続く高校の台頭を促し、引いては高校生年代全体の技術レベルを高めることにもつながるはずだ。

 とはいえ、技術レベルの高まりの一方で、ボールを奪い合う球際の勝負という点において、弱さを指摘されているのが、最近の日本サッカーの現状でもある。

 それは、高校生年代にとどまらず、日本代表にさえ共通するものだ。アルベルト・ザッケローニ元監督は、「インテンシティ(プレー強度)」、ヴァイッド・ハリルホジッチ現監督は「デュエル(1対1の争い)」という言葉を用い、同様の課題を指摘している。

 そのあたりに関して言えば、今大会でも物足りなさがあることは否めない。両チームが互いにハイプレスを仕掛け合い、激しいボールの争奪戦を繰り広げるような試合はあまり見られない。