天皇杯決勝で小笠原が示した、鹿島に受け継がれる「常勝の精神」 (5ページ目)

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

 この先のチーム作りについても余念がない。主軸のひとり、欧州移籍の噂が絶えない柴崎について、鈴木強化部長が言及する。

「オファーはまだ来ていないし、いつ来るか分からないけど、覚悟はしているし対策も立てている」

 16シーズンに柴崎が務めたボランチにはレオ・シルバを、左サイドハーフには金森健志を獲得。さらに、層の薄いFWにはペドロ・ジュニオールを、左サイドバックには三竿雄斗を補強し、計画的に各ポジションの選手層のバランスを整えている。

 その背景には、危機感もある。

「この1か月はいいサッカーをして、タイトルも2つ取ってすごく伸びている。だけど、冷静に分析すれば、セカンドステージ(11位)もルヴァンカップ(グループリーグ敗退)でもあんな結果になって、ひとつサイクルが乱れると、まだ崩れてしまうチーム。この4年間の勝ち点をみると59、60、59、59と、『60』の壁を打ち破れないでいるから、競争をもっと激しくするような補強をして、うまくいけば勝てるではなく、力で勝てるチームを目指してやっていきたい」

 J1は来る17年シーズン、賞金と均等配分金の増加に加え、強化配分金が新設されるため、優勝チームが手にできる総額は最大で21億5000万円となり、16年シーズンの4倍以上の額になる。「それが入ればまた投資ができて、良いサイクルになる。だから16年以上に17年が大事になる」と、鈴木強化部長は力を込めた。20個目のタイトルどころか、3年後、5年後の「一強」に向けて鹿島は突き進んでいる。

 このままでは、どんどん引き離されてしまいますよ、いいんですか――。

 そんな言葉を、J1のライバルクラブの監督や選手ではなく、フロントの方々に伝えたい。もっとも、二十数年の積み重ねが今の鹿島を作り上げているわけで、追いつくのは簡単なことではないのだが。

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