福田正博が読む2017年のハリルジャパン。W杯への道は見えているか (4ページ目)

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • Photo by AFLO

 W杯アジア最終予選の前半5試合を終え、日本代表は首位のサウジアラビアと勝ち点10で並び、得失点差でグループ2位につけている。W杯出場権を自動的に手にできる2位以内に浮上したとはいえ、3位のオーストラリア、4位のUAEとの勝ち点差はわずかに1。まだまだ楽観視はできない。

 3月から再開される後半戦は、いきなりアウェーでのUAE戦が控える。再び日本を叩いて勢いに乗りたいUAEが、国を挙げて日本戦に照準を合わせてくるのは間違いないだろう。6月にはアウェー(中立地)でのイラン戦、8月にはグループ最強の敵・オーストラリア戦が待ち受け、9月の最終戦ではアウェーでのサウジアラビアとの一戦に挑むことになる。

 日本代表にとってはこれまで同様、「アジア予選ならではの戦い方」が求められるが、現在のアジアで、コンディションの悪い選手を起用して勝てるほどのアドバンテージを日本代表はもはや持っていない。対戦相手国との力の差がなくなってきているアジアでの戦い方を見きわめる必要があるだろう。

 また、前半戦で日本代表を苦境から救った原口、清武らが後半戦も好調を維持できるとは限らない。彼らがリーグ戦で故障をする可能性や、本田や香川のパフォーマンスが戻らないことも想定しなければならない。

 ハリルホジッチ監督には前半戦で得た教訓を生かし、日本代表やアジア各国の実力を過大評価することも過小評価することもなく、あらゆる事態を想定して準備を整えながら、日本代表をロシアへと導いてもらいたい。

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